2012年2月29日水曜日

「福島原発事故独立検証委員会 調査・報告書」について    —まだ読んでいないが報道を見て気になった点—


福島原発事故独立検証委員会が調査・報告書をまとめた。現段階では市販されていないので内容を読んだわけではないが、報道を見て気になった点をまとめておく。


内容としては、政治家や原子力安全委員会、原子力安全・保安院の関係者 300人ほどから聞き取り調査を行っており、ある程度事故当時の状況がわかる内容になっているらしい。

ところが驚いたことに東京電力がこの福島原発事故独立検証委員会の聞き取り調査への協力を断ったという。

民間のわけのわからない調査機関の話ならばそういうことも考えられる。しかし民間事故調とはいえ菅首相はじめ事故対応に当たった主だった政治家、原子力安全委員会の班目委員長、原子力安全・保安院、文部科学省など今回の事故に関係する官僚たちも協力している調査に、一番の事故当事者である東京電力が協力しないというのはどういうことなのだろう。

東京電力には事故の原因を明らかにし、今後の原子力行政に役立てようなどという気持ちはかけらもないらしい。いまの彼らの姿から見えてくるのは、できるだけ責任を回避し、組織の延命を図り、甘い汁を吸い続けたいという醜悪な姿だけだ。

長年独占企業として組織全体で甘い汁を吸い続けてきた結果、隅々まで腐敗しきってしまったのだろう。この組織を立て直すには一旦国有化し、大胆に分離解体して再民営化するというような大手術が必要だ。

もうひとつこんな報道もあった。


福島原発事故独立検証委員会は菅前首相の事故対応を厳しく批判している。ところが菅前首相は自分に都合のいい部分だけを引き合いに出して談話を発表してしまった。

まぁ、気持ちはわかる。一国の首相を務めたほどの人だ。自分の失敗を認めたくはないだろう。だが政治家や官僚のこのような態度が政治不信を生むのだ。どこにも完全な人間なんていやしない。まして、あのような極限の状態であれば誰がやったって得られる結果は50歩100歩だ。失敗は失敗、間違いは間違いと素直に認めた方が自然だ。そしてそうした方が結果的に成果を引き立てる。

それを変にごまかそうとするからおかしくなるのだ。





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