民主党政権、特に鳩山由紀夫政権の実績を語る上で、普天間基地移設問題に触れないわけにはいかない。
私の考えでは2009年8月の総選挙で民主党が大勝したのは、別に民主党が評価されたわけではなく、自民党に嫌気がさして、試しに民主党に1回やらせてみようと考えた有権者が多かっただけである。
むろん私も自民党の一党支配ではダメだと考えていたが、いまひとつ民主党に肩入れする気にならなかったのは、実にいい加減なことばかりを言う鳩山、菅、小沢などの民主党の幹部たちを信じられなかったためだ。
その最たるものが普天間基地移設問題だった。
民主党は普天間基地の海外移設を目指すとし、最低でも(沖縄)県外と言って選挙戦を戦った。
もちろんそれが実現できれば素晴らしいことである。
だが、海外や県外への移設が、かなり困難なことであることは容易に想像できる。まず、海外移転は日本の国益から言ってもできないだろうし、沖縄県外に移設するとしたら、相当丁寧な根回しと準備が必要になるだろう。政治家と官僚によるゴリ押しがまかり通る問題ではない。かりに実現できたとしても一朝一夕に実行できることでもない。
それにもかかわらず鳩山氏は、自信たっぷりに「最低でも県外」と言い続けていた。そして2010年3月にはあの有名な「腹案がある」発言まで飛び出した。
結局、鳩山氏率いる民主党は実現可能な移設案など何も持ち合わせておらず、自民党時代と同じ辺野古案に戻ってしまう。一旦希望を持たせておいて、あっという間にそれをぶち壊されたのだ。沖縄県民が怒り、いま、かたくなに県外移設にこだわるのも当然という気がする。
自民党時代になんとか辺野古で決着しかかっていた移設問題を、どうにもならないほど混乱させてしまったのは鳩山政権と認定していいだろう。
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