民主党の悲願であった自民党からの政権奪取がかなったのだから、気合いが入るのも当然だろう。民主党政権に対し懐疑的だった私も、「よし、やってやるぞ」という鳩山首相のやる気満々の顔を見て、「おやっ、少しは活躍してくれるのかな」と一瞬思ってしまったくらいである。
実際、平成22年度予算を削減するために行なわれた事業仕分けは、政治パフォーマンスとしてはなかなか面白かった。蓮舫議員や枝野議員が、次々と官僚たちをやり込める姿は庶民の目には気持ちよく映った。しかしその一方で、行政刷新会議(議員)側のやや乱暴な論理展開に違和感を感じないでもなかった。
だが、何よりも問題なのは、あれほど派手なパフォーマンスを展開した割には、実際の予算削減はそれほど大きなものではなかったということだ。
削減額9692億円。当然鳩山氏や民主党寄りの人は、この数字を大成果と評するだろうが、平成22年度の国家予算は92兆2992億円、平成21年度予算を3兆7512億円も上回っている。
むろん、「2兆円の景気対策を行なったのだからしかたがない」というような言い訳はあるだろうが、景気は一向に上向いていないのだから、その景気対策も無駄遣いだったわけだ。
そして後からわかるのだが、事業仕分けで中止になった事業がひそかに復活したりしている。つまり、鳩山由起夫内閣の行政改革は完全なる失敗に終わったということだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿