2012年8月14日火曜日

20120814_じわじわと広がる脱原発の意志

福島第一原発事故の後、それでも原発は必要だという意見がの多さに正直言って驚いた。

冷静に原発維持派や原発推進派の話を聞けば、電力の安定供給、コスト、エネルギー安全保障など、彼らが心配する気持ちも多少はわかる。

が、どれも絶対的な理由にはなり得ないことを考えれば、最終的には脱原発を可能な限り早期に実現するというところに国民の意志は落着くと見ていた。

事実、菅内閣はその方向に動いていた。

ところが、野田内閣はおそらく官僚と産業界の意向を受けてのことだと思うが、原発の維持・推進へと舵を切ってしまった。

政権にあるものが、
「口ではうまいことを言いながら事を強引に進めてしまえば、原発の今後を維持・推進に持っていくことなんか簡単だ」
と、高をくくっていたのだろう。

大飯原発の再稼働を決定したあたりでは、
「しめしめ、やっぱり権力を持ったものが物事は決められるんだ」
そう言わんばかりの得意げな宰相の顔がテレビに大映しになった。

だが、そんなことがうまくいくはずがない。

ここに来て潮目が変わりつつある。

まず、春頃から続いていた首相官邸前の反原発デモが異例の盛り上がりを見せ、首相も無視することができなくなった。

首相、脱原発の代表と面会へ 抗議拡大で焦り

続いて全国各地で行なわれた意見聴取会や討論型世論調査では、脱原発派が他の意見を圧倒した。

討論型世論調査 「原発ゼロ」へ変わる意見

さらに8月12日に閉め切られたパブリックコメントに8万件を超す意見が集まった。まだ集計が済んでいないが、締め切り間際の駆け込みが多かったことから、脱原発の意見が多いと見られている。

原発意見公募に8万件超 比率3選択肢、専門家会合で検証へ (1/2ページ)
原発意見公募に8万件超 比率3選択肢、専門家会合で検証へ (2/2ページ) 

そして静岡では、中部電力浜岡原発(御前崎市)の再稼働の是非を問う住民投票条例の制定を目指して市民団体が出した署名について、県選挙管理委員会が13日、16万5127人分の署名が有効だったと発表している。

有効署名数は16万5千人超/原発住民投票

明らかにいま、世の中の動きは脱原発に向かっている。

官僚、産業界に巣食う原発維持・推進派の連中は、慌てて政界工作に奔走していることだろう。

お盆休み明け、野田政権がどんな手を打ってくるのか注視しておきたい。

【追記1(20120814)】

NHKニュースを見ていたらこんな世論調査結果のニュースをやっていた。

原発依存“15%程度”が最多

無作為抽出の世論調査だと、やはり真ん中を選択する人がまだ多いようだ。脱原発を望むなら、やはりまだまだ頑張らないと目的達成はおぼつかないようだ。

少し風向きがよくなっただけで、浮かれていてはいけないということだな……。


0 件のコメント:

コメントを投稿