2012年4月20日金曜日

がれきの広域処理はもはや必要ないようである

以前のエントリーで「がれきの広域処理がどうやら軌道に乗ったらしい」と書いたが、どうやらそれは私の間違いだったようだ。

いまだにたいした進展は見られない。

進展が見られないのはむろん政府の無策のせいであるが、ここまで無能だとは私も想定していなかった。完全に見込み違いだったようである。しかし、実は今回ばかりは野田政権の無能がかえって幸いしたかもしれない。

というのは、どうやらがれきの広域処理は必要ないようなのだ。

南相馬市では防潮林の土台として使用するためのがれきを欲しがっているし、宮城県の沿岸部では国が防災林を整備する際の土台としてがれきを使用するらしい(いまのところ環境省では、南相馬市で宮城県や岩手県のがれきを使用することを認めていないらしいが、いずれ認めざるを得なくなるだろう)。

その上、宮城や岩手の被災した市町村の中には雇用を生み出すために、処理用のプラントをつくってもらって、がれきを自分たちの地域で時間をかけて処理したいというところもあるらしい。

もともと現時点で国が広域処理したいと言っているがれきは全体の2割に過ぎない。無理に進めようとして多大なエネルギーをつぎ込んでいる広域処理などさっさとあきらめ、その他の方法を模索した方がはるかに現実的だ。その方が広域処理用に用意した予算も節約できる可能性が高い。

被災地にはかさ上げが必要なところもたくさんあるのだから、そのためにがれきが役立つかもしれない。

政府は一度言いだしたがれきの広域処理という案を、ほとんど受け入れてもらえないうちに引っ込めるのがいやなのかもしれないが、もうあきらめた方がいいだろう。

受け入れを表明した自治体も、適当に理由をつけて辞退した方がいい。東京都のようにあっさり国の基準を鵜呑みにしたまま受け入れてしまった自治体はあとで恥をかくことになる。

野田総理や藤村官房長官、枝野経産相、細野環境相、その他の民主党幹部に言っておきたいのだが、心底信じていないことを発言しているときはテレビ越しでもわかるものだ。それを日常的に繰り返していればやがて誰からも信用されなくなってしまう。いまはそのほんの一歩手前というところだろう。大衆をあまりなめてはいけない。

それにしても野田政権の無能さには本当に驚く。

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