2012年4月17日火曜日

中間貯蔵施設に関する政府の巧妙なごまかし

残念ながらわれわれは自分が一番正しいという、たいがい間違っている考えを容易に乗り越えることができない。

たとえば私などは、自分が相当に阿呆で間が抜けており、さらにかなり自己中心的であることをよく知っている。そのため日々それを自戒しながら生きていたりもする。

せっかくそうやって暮らしていながら、それでもなおたびたび自分が正しいと意固地になるという過ちを繰り返している。

困ったものだが、それも人間が所詮動物に過ぎず、本能に支配されている証拠なのだろう。多少は矯正できても、本能を完全に抑え込むことはできない。

中間貯蔵施設を巡る政府の事の進め方を見ていて、ふとそんなことが頭に浮かんだ。

どうしてこうも細野環境相やその周辺の政府関係者は自己中心的で傲慢なんだろう。


政府は大熊町に中間貯蔵施設をつくらせれば、隣接してつくる研究施設などで町民をたくさん雇ってくれるらしい。

だから
「迷惑だ、迷惑だとばかり言ってないで中間貯蔵施設の設置に協力しなさい。どうせ仕事がなくて困ってるんだろうからありがたいでしょ」
というわけだ。

私のように部外者で間が抜けた者ならよく考えもせず、うっかり騙されてしまいそうな甘い罠である。

だがいま一度よく考えてみよう。

中間貯蔵施設はかなり汚染濃度が高い地域につくられる。研究施設はむろんできるかぎり汚染濃度が低いところにつくられるだろうが、中間貯蔵施設から遠く離れていては意味がない。

つまりそこは、あまりいい職場環境ではないわけだ。

それに政府が町民を研究者として雇ってくれるわけではない。よくて事務員、悪ければ研究施設の掃除係や研究者の食事の世話係、力仕事専門員などとして町民を使いたいのだ。

もし、町民が参加してくれなければ広く募集しなければならない。環境が悪いということで当然賃金は高くなる。それでも集まるかどうか蓋を開けてみなければわからない。だから町民をうまく呼び込めれば政府にとってはすべてが好都合なわけだ。

〈中間貯蔵施設が町の復興の妨げになるという思いを持っている人が多いが、それは違う。今後は雇用、研究などプラスの要因もあることを丁寧に説明していきたい〉

細野環境相は、こんなごまかしばかり言っていないで本当のことをもっと丁寧に説明したらどうだろうか。

問題解決の近道はそれしかないのだから。


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