2012年12月27日木曜日

20121227_原発に関する自民党の動き

選挙前から自民党は、原発をある程度は維持し利用していくという考えを表明していたから、茂木経産相の以下のリンクにおける発言は、当然予想できたことである。

茂木経産相:「原発新増設せず」白紙 安全確認し再稼働

だが、私のように可能な限り早く原発ゼロを実現させたい「脱原発派」としては、このまま黙って自民党の政策を追認していくわけにはいかない。……とは言え、ただ「反対、はんた〜い」と言い続けても、世論は思う方向に動いてはくれない。

問題なのは、「原発推進派」と「脱原発派」のどちらが正しいか、ではない。個々人が何を重視するかによって、導き出す答えが異なるのは当たり前である。問題を単純化して言うなら、安全を重視すれば「脱原発」が正しいし、短期的な経済の安定や原発周辺の社会システム維持を重視すれば「原発推進」が正しい答えになる。

また近い将来、安全面、放射性廃棄物処理においても、多くの人が納得できるレベルの原発技術が開発できれば「原発推進」が正しい選択になる。反対により早く自然エネルギーによる発電システムが、発電量やコストで原発を凌駕(りょうが)すれば、「脱原発」が正しい選択になる。両方がほぼ同時期に実現すれば、共存ということになるだろう。

残念ながら現段階では、どちらが正しい選択かはわからない。

しかし、われわれは進むべき道を選ばなければならない。「そんなことは政治家や官僚に任せておけばいいじゃないか」という国民の無責任な行動が、あの福島第一原発事故を引き起こした要因の一つであることを忘れてはいけない。さまざまな情報を自分なりに収集し、考え、自分が正しいと思う答えをしっかりと持たなければいけない。

そしてそれを、できるだけ多くの人に伝えて味方につけなければいけない。それが民主主義のルールだ。

まずは来夏の参議院選挙に向けて、なぜ「脱原発」なのか、自分なりに発信を続けていこうと考えている。

20121224_白川郷のマイカー乗入れ規制

世界遺産で有名な白川郷がマイカーの乗入れ規制をはじめるらしい。

白川郷:観光客のマイカー乗り入れ規制へ 自治会が決定

車嫌いである私としては、全面的に支持したい。

むろん、車嫌いと言っても現代社会に生きている以上、まったく車を使わないというわけにもいかず、緊急時やどうしても必要なときには私も利用させてもらっている。だいたいバスなどの公共交通機関を含めて月に2回以下、年に20回ほどだろう。まぁ、あちこち出歩く者としては、少ない方だとは思う。

もちろん宅配便や郵便は利用するし、いろいろなところで買い物もするから、物流の面で少なからず車の恩恵にあずかっていることも承知している。

以前、高齢の父が夜中に具合が悪くなったときには、どうしようもなくて救急車のお世話になり、このときばかりは車という便利なものが存在していることに感謝した。

もう少し言えば、自分自身かなりの期間、仕事で車を利用していたし、マイカーを所有していたことさえある。

だが、どうしても車を好きになることはできなかった。

できるだけ車に乗らないようにしようと、意識してやりだしてからもう7年ほど経つが、ほとんど不都合はないので、当分の間、この車嫌いは続けていこうと思っている。

2012年12月15日土曜日

20121215_第46回総選挙前日所感

選挙のたびに思うのだが、その時どきの争点に関し、自分の考えとぴったり同じという政党や候補者はなかなか現れない。

もし、「どの争点も妥協できない、自分の意見をなんとか押し通したい」と考えているなら「お前が立候補しろよ」ということになるだろう。そこまでやる覚悟がないのなら、ある程度の線で妥協するしかない。

さすがに政治家になるつもりはさらさらないので、今回も、争点に優先順位をつけて各政党を採点したり、実際に当選した場合の実行力はどうか、などという点を判断材料にして、最も私の考えに近い政党、候補者を選ぶことにした。

優先順位の高い争点は、「経済政策」「原発・エネルギー問題」「行政改革」の3つである。

判断材料とする情報は、政党自らが出している公約・マニフェスト、マスメディア、インターネットなどから主に得たものだ。

民主党のマニフェストにも一応目は通したが、マニフェストとは正反対のことを行なったり、発言した言葉とは異なる行動を平気でとったり、野田党首が虚言癖があるように思えるなど信用できない部分をたっぷり見てきたので鵜呑みにすることは避けた。

他党の公約等についても、選挙対策として言ってるだけと思えるものは無視したり、自分なりの解釈に置き換えた。

そんな具合でじっくり検討した結果、公約としては「みんなの党」のものが最も共感できると感じた。

しかし、残念なことにみんなの党は、今回の選挙でも政治を動かせる勢力にはなれそうもない。党首の渡辺喜美が世論を動かすほどのカリスマ性を持ち合わせていないのだ。考え方がしっかりしているからある程度議席は増やすだろうが、今回もそこまでだ。よってみんなの党には来年の参議院選挙か、その次の総選挙の時に期待したいと思う。

共産党や社民党、新党日本、新党改革などはほんの数議席を維持できるかどうかというレベルなので、これも除外した。共産党や社民党などは、ここのところずっと国民に相手にされていない状態が続いている。選挙時にどんなに威勢のいいことを言っても、結局は何も実現できないのだからまるで存在価値がない。そろそろそのことに気づいてもらいたいものである。

マスメディア各社が行なっている事前調査では今回、自民党が圧勝しそうな勢いだという。

しかし、原発推進、公共投資ジャブジャブ、無制限金融緩和という自民党には到底政権はまかせられない。たぶん自民党と連立を組むであろう公明党は、安倍自民がまかり間違って暴走をはじめた際のブレーキ役が期待されるが、自民圧勝の際はあまり機能しないだろう。

日本未来の党はどう見てもその内実は、小沢新党である。脱原発に向けては頑張るだろうが、財源その他、政策の実行性には大きな疑問符をつけざるを得ない。

そんな風に考えていくと、結局残るのは日本維新の会である。暴走老人の石原慎太郎が代表である点は心配だが、公約(維新八策と骨太2013-2016)はみんなの党の次に説得力のある内容だった。

いまのところ当選者数も自民、民主の次を期待できそうである。

選挙後に自民党と協力して憲法改正や軍備増強に突っ走る一味になる危険性ははらんでいるが、原発や経済政策その他でいいブレーキ役を果す可能性もある。まぁそれは党内で石原と橋下のどちらがイニシアチブを握るかで決まることだろう。

ということで今回は、若い橋下に賭けてみようと思う。

ダメなら来年の参院選で民意をくだせばいい。

まぁ、実際は今回の選挙の結果、どのような勢力図になるか、そしてその結果を受けて政治がどのように動いていくかはまだわからない。有権者ができることは自分の思いを込めた1票を投じることだ。

投開票日前日の所感である。

2012年12月14日金曜日

20121214_極私的第46回総選挙資料

第46回総選挙の投票日が明後日にせまっている。

今回の選挙の争点など、記録に残しておきたかったので公約をまとめた私的な資料を作ってみた。タイトルにあるように極私的な資料なので、たまたま見てしまっても内容を信用しないようにしていただきたい。まぁ、個人ブログの内容を信じる人もいないだろうが、一応断っておく。

私自身の政治的な立ち位置は、いわゆる無党派層である。と言っても、友だちに頼まれたからとか、有名人だからとか、優しそうな顔をしているからという理由で一票を投じる人を選んだりはしない。その時どきの争点、公約を吟味して、よかれと思う候補者を選んでいる。だから過去自民党にも(ちょっと古いが)社会党にも一票を入れたことがある。

ちなみに郵政選挙のときは、郵便局のあきれた実態に憤っていたので自民党に入れた。政権交代選挙のときは、民主党は信用ならないと思っていたのでみんなの党に入れた。今回は……、まだ悩んでいる。

そういうわけで、以下のリンク先にあるような公約比較資料を作ってみた。何度も言うが、極私的な資料なので各政党自身が公開している公約とは微妙に異なる内容となっている。

特に民主党に関しては、政権運営の中で発言と行動が乖離(かいり)することが目立っていたこと、前回の公約をきちんと守る努力を怠った(特に消費税問題において守ろうと努力したが守れなかったというのではなく、守ろうという努力もしなかったというのが問題)ことなどから厳しい味方をしている。

争点としては、勝手に以下の10項目を上げた。
 1.経済政策
 2.原発・エネルギー問題
 3.社会保障問題
 4.TPP
 5.外交・安保・基地問題
 6.東日本大震災復興関連
 7.行政改革
 8.政治改革
 9.消費税増税
10.情報公開

1〜9までは、各政党のマニフェストなどでもほぼ取り上げられているので違和感はないと思うが、最後の「10.情報公開」というのに首をかしげる方もいるかもしれない。

だが、福島第一原発事故の発生から現在までの経緯を見ていて、つくづく感じたことがある。この国の統治システムがうまく機能しないのは意味のない秘匿主義がはびこっているからなのだ。原発事故による放射性物質の放出にしても、政府はパニックを恐れたのだろうが事実は隠された。たとえパニックの怖れがあったとしても、私は事実を速やかに公表すべきだったと考えている。事実を公表して避難誘導のために自衛隊や機動隊を頼っても、結果的には数名〜数十名がパニックが原因で亡くなったかもしれない。そうなったときは、政府はその責めを受ければいい。一国の政権を担うというのはそういうリスクも含めてのことなのだ。パニックを防ぐ、出来得るかぎりの手を打ってなお、防ぎきれずに犠牲者が出たとしたら、非難はするがここまでの憤りは感じないだろう(むろん自分の家族が犠牲になったら別だが)。だが、事実を伏せて政府が勝手な判断を下すことを私はどうしても許す気持ちになれない。一斉に非難しようとする群衆を恐れ、放射能を浴びながらしばらく留まるか、運を天に任せて群衆とともに非難するかは、自分で決めたいのだ。

そこまで大きな問題でなくても、我が国には政府や行政によって秘匿されている情報が山ほどある。それを情報公開すれば多くの問題が浮き彫りになり、解決のための手段を講じることができるようになるだろう。

個人的にそんな思いが強かったので争点の10番目として「情報公開」を入れたわけだ。

それともう一つ、今回総選挙に出ている政党は12党あるらしいが、取り上げるのはこれからの日本の政治に多少なりとも影響力を持つと思われる7党に絞った。

この表をじっくり眺め、政党に点数をつけたりしながら、明後日まで悩んで、これからの4年間を託す投票先を決定したいと思う。

第46回総選挙 公約比較表

2012年12月7日金曜日

20121207_野田内閣の実績(3)

野田内閣の政治手法を見ていくと、ある特徴的な手法が見えてくる。

「大飯原発再稼働」「オスプレイ」「放射性廃棄物中間貯蔵施設」「TPP」など、国民の理解を得にくい問題については、まず、できるだけ情報を出さないようにして問題を放置しておく。

むろん、形式だけのいい加減な会合くらいは定期的に開くが、政府の方針を国民に理解してもらおうという努力は一切しない。そんなことはどうでもいいことだからだ。いや、むしろ国民にきちんと理解してもらっては困るからと言った方が適切だろう。

その後、国民の反感が多少収まった頃合いを見計らって、「丁寧な議論を積み重ねた結果である」などと言いながら物事を強引に決定してしまう。実に不誠実極まりない手法である。

さらに必要であれば「責任を持って」などと取れもしない責任を平気で口走ったりもする。

あとはどんなに国民が反発しても、「丁寧な議論の結果である」「政府の責任で」などと言って逃げ切ってしまう。ここまで露骨にやると、まさに政治手法としては最低最悪の部類に入る禁じ手であると言わざるを得ない。

税と社会保障の一体改革関連法案にしても、国民不在の強引な手法で決められてしまった。もともと消費税の増税は既定の路線だった。多くの国民が近い将来、消費税率がアップすることはやむを得ないと考えていたことは各種世論調査で判明している(一応根拠として一つだけ報道ステーションの調査を上げておく)。

それを増税前の(無駄の削減などの)手順を省き、「待ったなし、待ったなし〔お前は相撲の行司かと何度も突っ込みたくなったが……(笑)〕」と、なんとかの一つ覚えのように唱え続けて強引に推し進めようとしたから多くの国民の反発を買ったわけだ。

その一方でIMFなどに大盤振る舞いをしているのだからあきれてモノも言えない。

政権末期には東日本大震災からの復興予算が、全く復興とは関係ない事業に使われていたという不祥事まで発覚した。

こうして考えてみると野田内閣は、重要政策においては何一つ成果を上げられず、国民の政治不信を最高レベルまで高めた、史上最悪レベルの内閣だったと評価するしかないだろう。

2012年12月6日木曜日

20121205_野田内閣の実績(2)

2011年12月16日、野田首相は「原子炉は冷温停止状態に達した。事故そのものは収束に至った」と宣言する。

東日本大震災:福島第1原発事故 「冷温停止状態」 首相「事故は収束」
東京新聞:作業員「政府ウソばかり」

上記の記事を見るとわかるが、何の根拠もなく、また福島には(いや、福島に限らず日本中で、だな)この福島第一原発事故のために苦しんでいる人が残されていることに何の配慮もせず、野田首相は「事故そのものは収束に至った」と宣言した。

当然のことだが、この発言は各方面から激しく批判されたが、そのような批判などどこ吹く風といった風情でついに撤回しないまま現在にいたっている。

その収束宣言からおよそ1年たった現在でも福島の現場は、事故の収束にはほど遠い状態にあると考えている人が大勢いる。そのことからも、あの野田首相の「冷温停止、事故収束」発言は、一国の首相としては看過しがたいほど軽率なものだったということがわかる。

ついでに原発関連の野田内閣の実績についていくつか触れておく。

原発関連で最も大きな野田内閣の決断と言えば「大飯原発の再稼働」だろう。むろん、異論はあるだろうが、私はそう捉えている。なぜならあの大飯原発の再稼働がなければ、原発稼働ゼロのまま夏を乗り切り、世論の流れは脱原発へと大きく傾いたと予想できるからだ。

今夏を節電努力などで乗り越えてきた我々は、事実として原発が1基も動いていなくても、猛暑の夏をなんとかかんとか乗り切れたことを知っている。

大飯原発を再稼働するときに野田首相はこんなことを言った。

「突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人も出ます仕事が成り立たなくなってしまう人もいます。働く場がなくなってしまう人もいます。」
むろん、大停電が起きれば多くの人が迷惑をこうむることは確かだ。医療の現場でもいろいろなトラブルが起きるだろう。しかし今年、電力不足ではなく台風や吹雪により日本各地で突発的に大規模な停電が起きたが、野田首相が言うようなことにはならなかった。

また、こんなことも言っている。
「夏場の短期的な電力需給の問題だけではありません。化石燃料への依存を増やして、電力価格が高騰すれば、ぎりぎりの経営を行っている小売店や中小企業そして、家庭にも影響が及びます。空洞化を加速して雇用の場が失われてしまいます。そのため夏場限定の再稼働では、国民の生活は守れません。」
これは大飯原発のみを再稼働すればそれで済む問題ではない。エネルギー政策全体の問題であって、たった2基の原発を動かしただけでは全く意味をなさない問題なのだ。野田首相はそれを大飯再稼働の問題に矮小(わいしょう)化し、持論に都合よく使ったというわけだ。

そして結局こう結論を出した。
「以上を申し上げた上で、私の考えを総括的に申し上げたいと思います。国民の生活を守るために大飯発電所3、4号機を再起動すべきというのが私の判断であります。」

ようするに野田首相は、日本中の原発がすべて停止するという状況を看過できない産業界、官僚、政治家の圧力に屈し、安全をないがしろにしたのだ。

その後のエネルギー政策(2030年代に原発ゼロを目指す)にも、原子力規制委員会の人員の決定にも、国民の意見はほとんど反映されていない。明らかに野田民主党が進めてきたのは原発推進の政策と言える。

つまり、野田内閣の原発関連の実績は原発推進に賛成する人には多いにあったが、脱原発に賛成する人にとっては負の実績しかないということになる。